自覚症状が現れないままどんどん進行していきます
日本の成人が歯を失う原因の第1位である「歯周病」。高齢の方がかかる病気のように思われていますが、10代や20代の方にも歯周病の初期症状がみられることがあります。日本人の成人の約8割が歯周病または歯周病予備軍といわれているほど蔓延している、国民病なのです。
こちらでは、相模原市、京王相模原線・JR横浜線「橋本駅」徒歩2分の歯医者「たかはしデンタルクリニック」が、歯周病についてお伝えいたします。
歯周病とは?
歯を支える歯ぐきや顎の骨(歯槽骨:しそうこつ)が細菌により炎症を起こし破壊され、やがては支えを失った歯が抜け落ちてしまう感染症です。
歯周病と各疾患
歯周病はお口の中だけの病気のように考えられがちですが、実は全身疾患とも関連があることがわかってきました。
糖尿病
血糖を下げるインスリンがうまく作用しないことにより高血糖が続く疾患である糖尿病は、さまざまな合併症を引き起こします。歯周病も糖尿病の合併症のひとつとされています。
心疾患
歯周病によって生み出される炎症物質が血液中に入ると血栓を起こしやすくなり心臓血管に影響します。歯周病にかかっている人はかかってない人に比べて心疾患の発症率が高いといわれています。
早産・低体重児出産
妊娠中はさまざまな理由が重なり歯周病になりやすい時期です。歯周病菌が子宮の筋肉に作用してしまうと早産や低体重児出産を起こしてしまうことがあるのです。歯周病のある妊婦さんはそうでない妊婦さんに比べ早産や低体重児出産をする確率が高いとの報告があります。
誤嚥(ごえん)性肺炎
高齢の方や病気の方は、飲み込みがうまくいかないことがあります。誤嚥によってお口の中の歯周病菌が唾液とともに肺に入ってしまうと炎症を起こす場合があるのです。とくに抵抗力が低くなっていると誤嚥性肺炎の原因になります。
歯周病になると……
歯周病は歯ぐきの腫れから始まり、出血や口臭をともなっていきます。そして歯を支える顎の骨が破壊されていくのです。進行にともない歯と歯の溝(歯周ポケット)が深くなっていき、歯のぐらつきが大きくなっていくのが歯周病の特徴です。
歯周病の進行過程
進行過程 | イメージ | 症状 |
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健康な状態 | 歯ぐきは引き締まり健康的なピンク色をしています。歯と歯ぐきのすき間は1~2mmです。 | |
歯肉炎 | プラークがたまったままにしておくと歯ぐきが炎症を起こし、赤くなったり腫れたりします。歯と歯ぐきのすき間は2~3mmと深くなります。 | |
歯周炎(軽度) | 炎症が歯肉だけでなく歯を支える歯根膜や顎の骨にまで進んだ状態を歯周炎といいます。歯と歯のすき間(歯周ポケット)が3~5mm程度になります。 | |
歯周炎(中度) | 炎症がさらに悪化し歯を支える顎の骨の半分近くまで破壊が進んだ状態です。歯周ポケットは4~7mmになり歯がぐらつき始めます。 | |
歯周炎(重度) | 歯を支える顎の骨が半分以上壊された状態です。歯周ポケットは6mm以上になり歯がぐらぐらします。 |
歯周外科までカバーします
歯周病治療や予防の基本はお口の汚れを落とすことです。毎日のセルフケアは欠かせませんので、効果的なブラッシングのためのアドバイスをします。また歯科医院でのプロフェッショナルクリーニングを行い、プラークや歯石を徹底的に除去し、仕上げに歯の表面をなめらかにして汚れの再付着を防ぎます。
それでも歯周病の症状が改善しない場合は、歯のまわりの歯ぐきに麻酔をしてメスで切開し歯根を露出させて歯周ポケットの奥深くに付着するプラーク(歯垢)や歯石を取り除きます。そして歯の表面をなめらかにしてから歯肉を縫合するフラップ手術(歯周外科手術)を行うのです。
歯周病は再発しやすい病気です。気になる症状がありましたら、できるだけお早めに、当院にご相談ください。